読売新聞、東京新聞、中日新聞読で紹介されました!

読売新聞5月29日「文芸月評」、東京新聞中日新聞6月10日読書欄「記者の一冊」で紹介されました。

その一部をご紹介します。
読売新聞
「震災の被災者の手記集『3.11慟哭の記録』(金菱清編、新曜社)に原発事故で故郷を離れ、東京のコンビニで働き始めた福島県南相馬市の元ニートの文章がある。・・・殻を破った22歳は〈震災は俺にとって悪いことだけではなく、成長させてくれた〉と書いた。

東京新聞
「3.11の大震災から1年余。震災の記録集が続けて出た。・・・震災の体験者自身が取材編集し、津波地震被害、原発事故に揺れた現地からの生の声を伝える。どれも稀有な記録集だ。・・・

「時が経つほど価値を増す一冊」週刊誌アエラ書評!

週刊誌アエラ5月21日号に書評が掲載されました。

その一部をご紹介します。

「ひとたび読み始めれば、感じるのは重さではなく人間の体温・・
読み終えた時には、彼ら一人ひとりが語るのを隣で聞いていたような気持ちになった。・・
時が経つほど価値を増す一冊だと思う」

「飛びぬけて優れた記録」佐野眞一氏の書評!

週刊現代4月21日号に書評が掲載されました。評者はノンフィクション作家の佐野眞一氏!

ノンフィクションの大家である佐野先生に「私のこの間の仕事と陰に陽に響きあっているように思った」1冊としてご紹介いただきました。私達プロジェクトの意図をずばり見抜いて「私が知る限り飛びぬけて優れた記録」「私の持論を実践しているよう」と高く評価くださいました。
佐野先生、週刊現代様、どうもありがとうございました。

その一部をご紹介します。

『3.11慟哭の記録』は、数多く刊行された「三.一一」一周年記念出版物の中で、私が知る限り飛びぬけて優れた記録となっている。五百ページを超す大部の本だが、あっという間に読破できるのは、この未曾有の体験がもっともらしい“大文字”言葉ではなく、すべて“小文字”言葉で書かれているからである。それが比類のない切実感となって読者を圧倒する。

…中でも、両親とはぐれ自分の無事を知らせるため、家の「玄関の下の泥に棒で『かな無実です』(無事と書きたかった)とメモして書いた」と記した阿部果菜という女子高生の記録は、悲しみの中に笑いをにじませて出色である。

 この本を読んでわかるのは、私たちが「三.一一」をいかに知らなかったかである。…私たちが衝撃的な映像でこの災害を知ることになったとき、大津波に巻き込まれた当の被災者はその映像と最も遠い地点にいたことを忘れている。…本書は、そのことを痛切に教えてくれる。
 
「三.一一」の講演会で一番多く寄せられるのは、「私たちは『三.一一』の被害に遭われた皆さんに何をすればいいんでしょうか」という質問である。それに対して私は「ひとりひとりの「三.一一」体験を思い出すことです。そして、一年後の自分は、十年後の自分はそのときからどう変わったかを反芻することだと思います」と答えることにしている。…本書は、私のそんな持論をいち早く実践しているようにも見える。

「痛切 被災者の声」河北新報4月8日にインタビュー記事

「痛切 被災者の声 東北学院大生が証言集を出版」
河北新報4月8日にカラー写真入りで報道されました!

震災時に就活中だった3年生や高校最後の春休みを過ごしていた新入生のメンバーが1年間金菱先生の指導下で被災者の方々を訪ね歩き、どのように記録を集め、出版を完成させたのか、端的にまとめていただきました。ここには載っていませんが、100人以上の方々にお世話になりました。同窓生の先輩方、卒業生、在校生とご両親様、ご友人の方々、皆様ご協力ありがとうございました。
河北新報様、インタビューと記事掲載をどうもありがとうございました。

そのなかから一部をご紹介します。

東北学院大の学生有志が、東日本大震災の被災者71人に体験をつづってもらい、「3.11慟哭(どうこく)の記録」(新曜社)にまとめた。岩手、宮城、福島の3県の被災者が、震災当日の状況やその後の暮らしを自らの言葉で記している。広範な地域から震災の実相を描く証言集となった。

東北学院大学教養学部地域構想学科の金菱清准教授が学生に呼び掛け「震災記録プロジェクト」が昨年4月中旬、スタートした。学生10人が被災地を訪れ、被災者に直接、体験談の執筆を依頼して回った。地域構想学科を今春卒業した大内千春さんは「原稿依頼は難しい作業だったが、熱意を伝えて書いてもらった」と言う。

沿岸部で津波に巻き込まれた人、ノリの養殖再開を目指す漁業者、石巻市大川小で娘を失った保護者、原発事故で警戒区域の自宅に一時帰宅した学生…。さまざまな地域から、生々しい震災の様子や痛切な思いを伝える原稿が寄せられた。

メンバーの地域構想学科2年の渡邊英莉さんは宮城県七ケ浜町の自宅で被災し、目の前で祖母を亡くす体験を寄稿した。「『助けられなかった』と自分を責める気持ちがあったが、皆さんの力強い文章に励まされ、気持ちの整理がついた」と打ち明ける。
金菱准教授は「小さな物語を生々しい文章で濃密に描き、広範な地域で取り上げることで、震災が深く、広く理解できる」と話している。四六判560ページ。2940円(税込み)。

ネット版からもお読みいただけます。
河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/04/20120408t15013.htm

「日本民衆史に残る」色川大吉氏の書評!

3月25日、4月1日、全国各地の地元新聞に書評が載りました。評者は歴史家の色川大吉氏。

民衆史、自分史の大家でおられる色川先生にご高評賜り、ありがとうございました。以下に一部をご紹介します。

「本書は巨大地震、大津波原発事故に遭遇した71人の被災者が、直後に万感の思いをこめて記録したものだけに特別の価値をもつ・・未曾有の体験だけにその価値は日本民衆史に残るものである」
「また、いまだに解決のメドさえ立っていない福島原発の大事故について、19編の証言や訴え、告発などが胸を打つ。・・なんという悲しい訴えであろうか」
「高層マンションでの震度6の揺れの報告(編者金菱先生による:引用者注)は、首都直下型大地震が近いとささやかれている今、人々には見過ごせないだろう。・・市民ひとりひとりの心構えも問われている」
「私たちは日本という地震列島の上に住んでいるのである。そうであれば日常不断の覚悟を持つことが必要なのである」
「大地震と大津波で家を離れた20万人とも30万人ともいわれる避難民の人たちにも、この本に倣った被災の経験を書き残してほしいと思う」

掲載は岩手日報神戸新聞四国新聞ほか。4月中旬にかけて各地の新聞に掲載されます。ぜひご注目下さい!

読者の感想をご紹介します

読者の感想が公開されています。
一部をご紹介します。しっかり受けとめて心に刻みたいと思います。ご高評ありがとうございました!

震災の真実は体験した本人しか語ることができない、ということを理解しました。大事な息子さんを失った父親、大好きなおばあちゃんを亡くした女子学生、仕事も何もかも失った水産業者、71人の被災者の方々が、今まさに厳しい現実に直面しているにも関わらず、冷静に自分の体験した一部始終を淡々と書いています。一人一人がこんなにも異なる体験をしているのに、「被災者」とひとくくりにしてしまっていた自分を反省するとともに、このような貴重な体験談を書いて下さった方々の意志に感謝の気持ちを持ちました。

この本は正確性、情報量、そして内容の貴重性で他の本を圧倒的に凌駕しています。被災し、被災者と復興の過程を共にして来た地元の東北学院大学の先生と学生の方々であることから、被災者の方々も気負ったり遠慮したりすることなく、自分の体験や感じた事を正直に書くことができたのではないかと思います。書いている方々の文章力や編集も素晴らしいです。

この本のさらに素晴らしい点は、被災者の方々が自分の体験を語るだけではなく、これから自分がどうやって生きていくのかという決断や取り組み、そして地元の復興への提案など、未来への視点も含まれていることです。彼らが踏み出す一歩の大きさを噛み締めながら、自分が今何をすべきかを改めて考えること、それが全ての読者に求められていることではないかと思います。
(みほぶー)

OH!バンデス3月28日にプロジェクトメンバー出演!さとう宗幸さんも激励!

ミヤギテレビ人気番組、OH!バンデス に
東北学院大学 震災の記録プロジェクトメンバー4名が出演!

大きなパネルを掲げて、本の表紙、訪問した被災地、記録のおもな内容、
出版の意義、プロジェクトの連絡先を、スピーディに紹介。
私達が製作やり遂げました!の誇りにみちあふれ、東北魂ここにあり! 

さとう宗幸さんも「紹介しようと思っていましたよ、ほんとに分厚い」
と応援してくれました。
今後も、記録を書いて下さった方々の想いを胸に頑張ります!